科目・生徒の特徴

  • 科目:フルート
  • 年代/性別:大人(50代)/女性
  • 楽器を始めた時期:1年4か月前

当教室に通い始めたきっかけ

お嫁さんが吹くフルートの音色を聴いて、「いい音だなぁ♪」と魅了され…「私もフルートを吹いてみたい」と思われたのが始めたきっかけだそうです。 50歳を過ぎて、人生で初めて触れたフルート。同じ「笛」のカテゴリーとはいえ、学生の時に吹いていたリコーダー(縦笛)とは音を出す原理も吹き方も全く異なるフルートは一朝一夕で思い通りに音が出せるわけではありません。興味→挑戦→奮闘、音楽を通じた無限の可能性と豊かな人生に向けたチャレンジが始まりました。

悩み・課題

今まで音楽は小学生~中学生に学校の授業で触れたのみ、社会人になってからは楽器で演奏をする機会は全くなかったので、楽譜を読むのも一苦労。レッスンを始めた当初は、音譜の下にドレミのカナを書き、リズムも一から…という感じでした。リズムの概念はわかっても、いざ音楽が流れる中では混乱してしまう状況だったので、リズムの感覚を掴むために、足踏みをしながらリズムを叩いてみたり、身体を上下に動かしながらリズムを感じてみたり…色々な方法を通して身体でリズムを体感していただき、少しずつ感覚が掴めるようになってきました。今もビートを感じながら、まずメロディーを歌っていただいた後、フルートで吹いていただいています。

楽譜を読むのが苦手そうなので、できるだけ聴いたことがありそうな曲(童謡、民謡など)を吹いていただきながら、まずはフルートと仲良くなっていただくことを目指しました。

最初は楽譜にすべてカタカナを書いていましたが、最近は極力書かずに、メロディーラインを追う意識で曲に取り組んでくださっています。楽譜を見なくても1曲を通してフルートが吹けるように、毎回、曲(の楽譜)はすべて覚えるくらい練習されています。その結果、努力も実ってどんどん吹けるレパートリーが増えてきました。 ただ、フルートはキーを指で押さえて吹けばその音が出るという訳ではありません。微妙な息づかいのコントロールが必要で、吹いている人はその音を出しているつもりでも、その音が出ていないこともあります。

フルートは、リッププレートのエッジに向かって息を吹き込むのですが、管の中に入る息と管の外に出てゆく息があり、初心者の場合、管の外に逃げてしまう息の方が多いのが実情です。かなりのエネルギーをもって一生懸命に吹く羽目となり、自分の音を冷静に聴けないことが多いようです。自分が出している音が合っているのかどうか…一人で吹いているとわからない場合が多いので、まずは音のイメージを作っていただくため、私が一緒に同じ音を吹いたり、上手くメロディーが吹けるようになったら、私がフルートでハモリを入れたり…という感じで、レッスンを進めていきました。 でも、なかなかご本人の理想の音で吹けないので「フルートは難しい…」というイメージがつき始めてしまいました。習い始めて1年になろうとする頃、レッスンの帰り際に「なかなかいい音が出ないし、最近モチベーションが落ちていて…」という一言を残して帰られました。

克服に向けて

フルートという楽器に慣れていただくこと、音楽の基礎的なイロハを習得していただくために、進歩のレベルに合わせた、相応の曲を課題として提示させていただきながら、同時並行でご本人がやりたい曲にも挑んでいただくことにしました。やりたい曲をいくつかピックアップしていただき、今のレベルでもやれそうな音域、調性の楽譜をチョイスし、取り組んでいただくことにしました。

また、私もフルートでのサポートも時々しつつ、ピアノの伴奏に合わせて吹いていただく時間を増やすようにしました。自分なりに抱いている曲のイメージを大切にして吹いていただきたいと思ったからです。 そして究極は、そうやって好きな曲を楽しんで吹きながら「なぜ自分はその曲が好きなのか?」「その曲のどこに惹かれるのか?」…なんとなく感じていた「好き」の正体に向き合ってもらうことを目指しました。自分の中に潜んでいるものを知り、自分の感覚を味わい、深めていただくことで、フルートに出会えたことも、人生の一つの大きな意義になれば…と願っています。

成長・はばたき

先日「楽器が急に上手く鳴らなくなって…」とお電話がありました。「楽器店に修理の予約はしたのですが、明後日になるそうで…それまで練習できないのも困ったなぁと思って」…と。状況をお尋ねしてみると、おそらくバネが外れているのでは?と、口頭で説明し、対処法もお伝えしたところ、まさしくそれが原因で、自分で直せたそうです。一件落着!!でも何より、練習できないことにそこまで困惑してくださっていることが、正直とても嬉しく思いました。

「先生のような音にはなかなかならないですね」と度々おっしゃいますが、私は何十年も吹いていますからね(笑) 理想の音を持っていることはもちろん大切ですし、成長のためにはとても大事な感覚です。しかし、スポーツと一緒で、音楽においても最も大切なことは「楽しむこと!」「楽しいと思えること!」です。一方で、注意しなければならないことは、自分の理想を追求しすぎて、自分を苦しめること、そして大好きだった音楽を、音色に魅了されたフルートを好きじゃなくなってしまうことです。「好きこそ物の上手なれ」で、楽しんでいる先に待ってくれているものが必ずあると私は信じています。

先日のレッスンでは、やりたかった曲の一曲目を伴奏と合わせて、のびのびと吹いていらっしゃいました。ご本人なりの達成感もあったようです。そしてやりたかった曲の二曲目へ…高音域も出てきて少々レベルは高度ですが、「楽しみです」とおっしゃっていました。やりたい!って気持ちは何よりの原動力ですね!

フルートを習い始めた当初は、音を出すコツを掴むために毎週レッスンに通われていましたが、少しコツが掴めるようになった後は、月2回のペースでご自分の楽しめる間隔でフルートのレッスンを続けてくださっています。 これからも音楽を楽しむことを通して、ご自身の人生を深めていただけるよう、私なりにサポートの道を探っていこうと思います。

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当教室は個人で運営する街の小さな音楽教室です。そんな小さな音楽教室だからこそ、大手の音楽教室のような、決まったマニュアルやカリキュラムもありません。当教室の特徴は、生徒ひとりひとりと個別に向き合い、生徒の個性・特徴・ゴール(当教室に求める期待値)に合わせたレッスンをおこなうことです。

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