科目・生徒の特徴

  • 科目:フルート
  • 年代/性別:高校生(1年生)/女性
  • 楽器を始めた時期:中学生

当教室に通い始めたきっかけ

高校(音楽科)に入学して4ヶ月ほど経った頃、体験レッスンの申し込みをいただきました。
今まで高校受験(実技)に向けてなど、短期間の個人レッスンを受けたことはあったそうですが、音大進学を視野に入れたお母様が、基礎力を心配されてレッスンを検討されていました。

優しい綺麗な音色だけれど、楽譜を読むのもさほど早くなく、テクニックもまだまだ…音大を目指すには、やるべきことがたくさんあるという印象をお伝えしたところ、すぐに入会され、1時間レッスンで月2回というペースでレッスンを受講することになりました。

彼女は非常に多趣味で(彼女の長所)、ジャズのビッグバンドでサックスを吹いたり、高校のオーケストラ部ではチェロをやったり、様々なことに前向きに取り組んでいました。色んな楽器の経験はきっと音楽の幅に繋がる・・・そんな機会も大切にしながら、音大進学に向けて、フルートも頑張ってもらうことにしました。

悩み・課題

とっても笑顔がチャーミングな彼女…明るく意欲的にレッスンが始まったのですが、レッスンの途中から顔がどんどん暗くなり、帰るころにはうつむき加減でグッタリしている様子でした。

厳しく言いすぎているのかも?と少し心配していたのですが、レッスンを開始して2ヶ月ほどが過ぎた頃、お母様から「先生が大好きみたいです。音楽もどんどん好きになっているみたいです」とお言葉をいただきました。

どうやら自分のイメージ通りに吹けない(=自分の思い通りに成長できていない)ギャップが悔しくて、気分が落ち込んでいたようです。

私自身も学生の頃、レッスンで上手く吹けなかった時は、悔しくて仕方なかった(時には涙が出てしまっていた…)ことを思い出しました。彼女なりの「こう吹きたい!」というイメージとのギャップに悔しがっている姿を感じ、この子はきっと伸びる!と確信しました。

克服に向けて

本人、お母様から、オンラインでコンクールを受けてみたいと相談され、基礎力を上げる意味でも挑戦してもらうことになりました。

同級生に伴奏してもらい、録画を試みました。

応募は暗譜であることが条件でしたが、私も録画に付き合った際はミスが目立ちました。翌日も録画を試みました(私は用事があり付き合えませんでした)が、コンクールに向けて「上手に吹きたい!」というプレッシャーからか、本人が満足するパフォーマンスができなかったそうです。本人とお母様で相談して、結局、オンラインでのコンクールにエントリーすることは見送りました。

上記のオンラインによるコンクール挑戦の振り返りを実施した際に、オンラインのコンクールより対面でのコンクールの方が良いのでは?と幾つかのコンクールをご提案させていただきました。本人・お母様と一緒に話し合った結果、予選と本選を岡山で受けることができるコンクールを受けてみることになりました。

コンクールで吹く自由曲の2曲を決める際、本人から「バッハが吹きたい」という意思表示がありました。

バッハのソナタの中で彼女が選んだのは、一番難しいロ短調・・・正直、譜読みもあまり得意でない彼女がこの曲を仕上げられるのか心配でした。これはかなり難しいよ。他の曲にしたら?と言いましたが、「これが良い」と。

本人の揺るぎない意志を感じたので、その曲に決めました。

成長・はばたき

その選択の正しさは、その後数回のレッスンでいきなり表れました。予想以上に吹けるようになっていて、毎回のレッスンごとに驚くほど上達するのです!

長い曲ですが、「体感的には2分ほどしか感じない。楽しい!」と・・・。好きという気持ちは、どこまでも人にエネルギーを与えるのだなと感じました。

予選は、初めてのコンクール

緊張している様子でしたが、好きなバッハを吹ききりました。無事に予選通過し、本選へ。本選の前日は、やはり緊張でガチガチだったようです。(お母様情報)

本選の曲は予選の曲より短かったので暗譜で吹くつもりでしたが、直前で楽譜を見る決断をしました。それでも、予選に比べると一つ一つの音を丁寧に吹き切りました。そして、なんと(!)全国大会へと駒を進めました!

本人が、バッハのソナタを吹きたい!という自分自身の想いを貫き通し、ひたむきに努力した結果が実った瞬間でした!

全国大会は、東京へ

私も応援に行きました。初めてドレスを着て、大好きなバッハを吹ききりました。予選の時に比べると、かなり落ち着いて、丁寧に吹けていました。結果は入賞とはなりませんでしたが、現段階での彼女の力を精一杯に出し切りました。

出番後は他の参加者の演奏も聴き、たくさんの刺激を受けたようです。この体験・刺激は彼女の音楽の幅を間違いなく広げることになると思います。

何より今回の挑戦は、彼女の人生において、必ず大きな意味を持つと思います。難易度に妥協せず、自らの「ありたい姿」や「Will」を優先し、そこに向けてひたむきに挑戦と努力を続けた経験は、大きな糧になったことと思います。将来、困難にぶつかったときも、必ず今回の経験が、彼女の助けとなるでしょう。

今回のコンクールに向けて、毎回のレッスン、そして一回の本番ごとに、どんどん成長する彼女を目撃し、とてもワクワクしました。

そんな折、「生徒が上手くいくのは、生徒が頑張った結果。上手くいかないのは、指導者のせい」という言葉に出会い、まさにその通りだと感じました。私自身も、指導者としての経験と幅を広げる機会となりました。まさに生徒から学ばせていただいた瞬間です。

彼女はまた、やりたい曲を見つけたようです。私も探求心を持ち続け、音楽と向き合っていきたいと思います。

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当教室は個人で運営する街の小さな音楽教室です。そんな小さな音楽教室だからこそ、大手の音楽教室のような、決まったマニュアルやカリキュラムもありません。当教室の特徴は、生徒ひとりひとりと個別に向き合い、生徒の個性・特徴・ゴール(当教室に求める期待値)に合わせたレッスンをおこなうことです。

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